ケンタッキー大学 Harmon 先生・Trotta 先生研究室および農場の訪問報告

ADSA年次大会終了後、アメリカ・ケンタッキー州レキシントンにある ケンタッキー大学(University of Kentucky) を訪問し、Harmon先生およびTrotta先生の研究室・農場をご案内いただきました。

両先生はご多忙の中、来年移転予定の新しい研究施設の準備に取り組まれている最中にもかかわらず、学内をご案内くださり、研究設備や実験環境について丁寧にご紹介いただきました。研究室内には、一般成分分析装置有機酸測定装置in vitro 消化試験装置などが整備されており、反芻家畜の栄養学的研究を進める上で非常に充実した環境が整っていると感じました。

また、大学付属の農場も見学させていただきました。こちらも新たな施設の建設が進められており、今後ますます研究が活発になることが期待されます。農場は非常に広大で、肉牛だけでなく豚や鶏も飼育されているとのことでした。特に印象的だったのは、フィステルを装着した牛が複数頭飼育されている点で、これにより消化管内の内容物を直接サンプリングすることができ、消化過程を詳細に評価できる非常に貴重な研究環境となっています。

先生方は主に肉牛を対象にデンプンの消化性や利用効率に関する試験を行っており、これは肉牛の約50%のエネルギーがデンプンに由来することから、成長促進や飼料効率の向上に直結する重要な研究テーマです。特に、下部消化管におけるデンプンの未消化残渣や発酵特性の理解は、環境負荷の軽減や栄養戦略の最適化にもつながります。

今回の訪問では、研究設備や現場の雰囲気を直に見ることができ、非常に有意義な時間となりました。

今後、学会等で先生方と再会した際には、ぜひご挨拶させていただきたいと思っております。